自分だけの¥0._ガーデニング
  
初夏のころ、空き地の地面に無数の「ハート」が顔を出して、あなたを見つめているのに出会うでしょう。1cmほどの身体にびっくりするくらい大きなハート形の葉っぱを一つ二つつけたそれは「アオギリ」の赤ちゃんです。そのままにしておいても、芝刈り機でちょん切られる運命のその子たちを何本かさらってきて、植木鉢に植えてやります。原爆の跡地にもぐんぐん力強く伸びて、人々を勇気づけたという話があるその驚異的生命力で、日に日に見違えるほど背が伸びていきます。植木鉢が窮屈になったらベランダのプランターに移してやります。
 

ポイントは、木の根もと、プランターの土の表面が、ちょうど目の高さになる位置に置いて眺めること。

ふだん、庭の植木は上から見下ろすか、下から見上げるかしかないと思いますが、その木が大地から命の糧を吸い上げている大事な根、そしてそれを育んでいる地面、この二つのものの表情を目の前でじっくり見つめてみて下さい。ナメクジやマル虫などが這ってたりしますが、いじめないでやりましょう。なんだか、とっても心が安らぎ、生きる力がよみがえるような気がします。
夏の夜明け、日の出前の逆光の中にそのゆったりと大きな葉を見ると、夢のような美しさに息をのみ目を奪われます。太古の時代、私たちの祖先の原始ほ乳類もこうやって密林の葉陰に安らぎの場を見つけていたのだろうと思われます。
アオギリはその大きな葉で夏の陽射しを遮ってくれ、冬になれば葉は落ちてひなたを作ってくれます。本当によくできた木です。一年でベランダの天井にもつっかえるほど背が伸びますから、なんなら冬の間に思い切って20〜30cm位に切ると、翌夏にはまた幹から分かれて枝が伸び、ちょうどいい高さに葉陰を作ってくれます。
人間は誰も40歳を過ぎると土に親しむことが好きになる、と聞いたことがありますが、私自身も確かにそうでした。皆やがて自分も土になるのですから、その時の準備段階に入るよう、造化のプログラムが動き出すのかも知れません。
 
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