去年(2004)夏頃に右上の奥歯を抜き、その跡地は何もせずにほうっておきました。レントゲンではさらに右奥になんと親知らずが埋まっていることが確認され、「うまくいけばこの歯が使えるようになるかも」と言われていました。
一本分の空白のため上の歯列の隙間が開きはしないかと心配していましたが、そういうこともなく、咀嚼にも全く支障をきたさずに過ごしていました。
ビックリしたのは今年の元旦、年が変わって1時間ほど経った頃、私は平穏な年明けを迎えられたことに感謝しつつネットを楽しんでいました。そして何気なく舌で右奥歯跡をさわったところ、真ん中あたりにポチッと何か突き出たものがあるのに気づきました。丁度タケノコが頭をもたげて来ているような。「ややっ」と思い当たったのはもちろん親知らずのこと。なんと、知ってか知らずか、新年の開始に合わせて頭を出してきたのです。それもレントゲンで見た時にはかなり奥の方にあり、そのまま生えて来たら困るんじゃないか、と心配していたのですが、ちゃんと元の奥歯があった位置まで移動して、ピッタリの位置で頭を出しているのです。
聞いた話では、親知らずが生える時にはものすごく痛むので、抜いてもらう人も多いとか。私の友だちにも大学時代に抜いた人がいます。そんな懸念も少しありましたが、今、私の親知らずはごくおとなしく日に日に成長しています。痛くもかゆくもありません。その隣の歯は虫歯の上に根も浅く、余り長持ちしないし役にも立たないだろうと言われたのですが、端から親知らずが押してきたせいか、今ではしっかり固定され噛む力も大きくなったような気がします。
幸い、私の場合は親も一緒に親知らずの誕生を喜んでくれました。あ、この文章を書いている間にも少し伸びたような気がします。いやー、歯が生えて伸びていく感覚って考えてみれば小学校以来ではないでしょうか。このまま痛み出すことなく、無事立派な歯となって私の後半生(ってとっくに始まっているんじゃ?)を支えてくれますように。